水力発電所は高い位置にある水の「位置エネルギー(Potential energy)」をタービンを回す「運動エネルギー(Kinetic energy)」に変換して、
それをさらに発電機で「電気エネルギー(Electrical energy)」に変換します。
ではそもそも「位置エネルギー」とは何でしょうか。
このページではあえて数式を用いた表現を避けて言葉と図によるイメージを目指します。
(1)二つの物体の間に互いに引力が働いている場合(図A) (図A) 図Aと以下の図B,図Cを比べてみましょう。 (図B) (図C) 図Aと比べると、二物体の距離は図Bでより近く、図Cでより遠くなっています。 結論を先に言えば、これら三つの図を位置エネルギーの高い順に並べると、図C,図A,図Bとなります。 二物体に引力が働くとき、二物体の距離が離れていればいるほど蓄えられる位置エネルギーは大きいということです。 (例)水力発電のイメージ 万有引力の法則から考えると水と地球の間には引力が働いているので、以下の図をイメージすると良いでしょう。 (2)二つの物体の間に互いに斥力(せきりょく)がはたらいている場合(図D) (図D) 図Dと以下の図E,図Fを比べてみましょう。 (図E) (図F) 図Dと比べると、二物体の距離は図Eでより近く、図Fでより遠くなっています。 これら三つの図を位置エネルギーの高い順に並べると、図E,図D,図Fとなります。 二物体の間に斥力が働くときは、(1)のときとは逆に、二物体の距離が近づいていればいるほど蓄えられる位置エネルギーは大きいということです。 (1)と(2)をまとめて次のようなイメージをつかめると数式で位置エネルギーを表現したとき理解がしやすいでしょう。 ・二つの物体の間に引力が働く場合、二物体の距離が遠い方が位置エネルギーは大きい。 ・二つの物体の間に斥力が働く場合、二物体の距離が近い方が位置エネルギーは大きい。 |