定義に戻る(Go back to the definition) 例題1



定義に戻る(Go back to the definition) ...
言葉の定義を理解しておくことは、問題解決の第一歩であり思考の土台です。このことは算数や数学だけでなく、他者との議論や討論の場でも当てはまります。

(例題)
新しい数学記号 \($\) を以下のように定義します。
\begin{equation*} $ n = \frac{n}{n+1} \end{equation*} このとき、
\begin{equation*} $ ($ ($ 10)) \end{equation*} を計算してください。

(考え方)
定義にしたがって実直に解くのみです。
\begin{equation*} \begin{split} \text{(与式)} &= \frac{$ ($ 10)}{$ ($10) +1} \\ &= \frac{\frac{$ 10}{$ 10 +1}}{\frac{$ 10}{$ 10 +1} +1} \\ &= \frac{\frac{$ 10}{$ 10 +1} \times ($ 10 +1)}{(\frac{$ 10}{$ 10 +1} +1) \times ($ 10 +1)} \\ &= \frac{$ 10}{$ 10 + ($ 10 +1)} \\ &= \frac{\frac{10}{10 +1}}{\frac{10}{10 +1} +(\frac{10}{10 +1} +1)} \\ &= \frac{\frac{10}{11}}{\frac{31}{11}} \\ &= \frac{\frac{10}{11} \times 11}{\frac{31}{11} \times 11} \\ &= \frac{10}{31} \end{split} \end{equation*} この問題自体について解説することはありませんが、見慣れない問題に出会ったとき『定義に戻る』ことが解決の糸口になることもあると感じてくれたら幸いです。

※以下のような別解ももちろん正解です。
\begin{align*} $ 10 &= \frac{10}{10 +1} = \frac{10}{11} \\ $ ($ 10) &= \frac{\frac{10}{11}}{\frac{10}{11} +1} = \frac{10}{21} \\ $ ($ ($ 10)) &= \frac{\frac{10}{21}}{\frac{10}{21} +1} = \frac{10}{31} \end{align*}

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